社長ブログ 第1回
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【株式会社 太陽と大地 代表取締役社長 柳澤謙太郎】
なぜ私たちは酒米をつくるのか──八重原から「坐kura」へ
「このまちには、酒蔵がないんだよな。」
そんな一言から、すべてが始まりました。
私は長野県東御市・八重原という地で生まれ育ち、代々続く米農家の後を継ぎました。350年以上、この地で米を作り続けてきた家系です。
実は私、日本酒が大好きです。けれど東御市には酒蔵がなく、「自分たちの米で地元の酒を飲む」という当たり前のようで特別な体験が、ここではできませんでした。
あるとき、ふと思いました。ワインの世界では「この畑のブドウだから美味しい」と語られるのに、日本酒の世界では、なぜ原料である米の産地や作り手があまり語られないのだろう?
だったら、自分たちでやろう──。
この八重原で酒米を作り、その米を使った日本酒を世に出し、米の価値をもっと知ってもらいたい。長野の日本酒の魅力を、米づくりから伝えていきたい。そう強く思い、酒米栽培への挑戦が始まりました。
八重原は、冷涼な気候と大きな寒暖差、豊かな水と土に恵まれた、酒米栽培にとって理想的な土地です。先祖から受け継いだ知恵と技術、そして何より土地への誇りがあれば、絶対に美味しい酒米ができる──そう確信していました。
数年が経ち、いまでは長野県内11の酒蔵が、私たちの八重原米を使って酒を醸してくれています。自社オリジナルの日本酒も誕生し、人気酒蔵からも「八重原米使用」の銘柄がリリースされるようになりました。
そして、もう一つの大きな挑戦が「坐kura(くら)」というお店です。
坐kuraは、自社で育てた八重原米を使った日本酒だけを専門に扱う、ちいさな酒屋です。あえて販売店を、米を育てる田んぼの見える場所に構えました。お客様に、ただ「酒を買う」のではなく、「どんな風土で、どんな思いでこの米が育てられてきたか」を感じてもらえる場にしたかったからです。
地元の方々の応援や励ましもあり、坐kuraは少しずつ「地域の誇りになる酒屋」として認知されつつあります。最近では「酒米といえば八重原」と言っていただける機会も増えてきました。
今、全国的に酒米不足が懸念されています。ですが、私たちはこの地の酒米づくりを、変わらず誇りをもって続けていきます。
「あの田んぼで育った米で、この一本が生まれたんだよ。」
そんなふうに語れる酒を目指して。
これからもこのブログを通して、太陽と大地、米と酒と人のつながりを、少しずつお伝えしていきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。